Interview with Hasse Froberg


2017年9月にリリースされたHasse Froberg and Musical Companion初のライブDVD/アルバム「No Place Like Home - The Concert」はもう視聴されましたでしょうか?まだ?今まで3枚出ているHFMCのアルバム、いずれかを気に入った人には大推薦したい作品です。収録曲は主に3rdアルバム「HFMC」からですが、よくぞHFMCというバンドをこんなにも鮮明にキャプチャーしてくれた!と感激しました。ライブにおけるバンドのエナジー、メンバー間の楽しげなやりとり、ライブ全体のダイナミクス、正直にミスまで収めた「ドキュメンタリー」と言ってもいいような作品です。どのように作品が作られたか、その舞台裏をHasse Frobergに聞きました。
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Q: こんにちは。「No Place Like Hom - The Concert」がリリースされてから1ヶ月経ちました。周囲の反応はいかがですか?

A: 今のところいいよ。素晴らしいレビューだけど、最も大事なことは、ファンからの反応が驚異的なことだね。

Q: 早いうちから「No Place Like Home」というタイトルが決まっていましたね。何故このフレーズを選びましたか?

A: まず第一に僕はイベントをやりたくて、イベントには名前が必要だった。僕たちが地元のヒーローのようだというわけではないけど、そこそこ十分な観客が動員できるし、Uppsalaでプレイするのはずーっと好きだったんだ。ライブDVD/アルバムのアイデアに着手するその日から名前があることの恩恵の一つは、作品が出荷される日までに、人々の頭にタイトルをよく馴染んでもらうことができることだね。もう一つは、もしこれのプロモーションに成功したら、観客は絶対にこれを逃すことができないと言い切れる、つまり「あぁ神様、『No Place Like Home』は見逃せません」、それはライブとDVD/アルバム両方に言えることなんだ。

Q: ライブを行ってから1年以上経って、ようやくDVDはリリースされました。何が難しかったのでしょうか?

A: たくさんの人が関わっていて、誰もこのようなことを以前にやったことがなかったんだ。それと、忘れてはいけないのが、誰よりも作業の時間を割いたKicki Holmen(註:映像の編集担当をした人物)は、これを空いた時間にやってくれたんだ(彼女が仕事をしていない時だよ)。Petrus(Konigsson)とKjell(Sandberg)と僕は2月にすでに音のミックスを終えていて、Peter in de Betouは3月の中旬までにはDVDとCDのマスタリングをしていた。だからその後、僕らは(映像の)編集が終わるのを待っていて、それからDVDのマスターに問題があって、それを解決するのに時間がかかったんだ。このすべてが9月にリリースされたのは、夏のど真ん中にリリースしたくなかったからだよ(全部6月の初め頃に終えていたからできたかもしれないけど)。

Q: ライブ前に、Uppsalaを空中撮影した映像が入っています。あれはドローン撮影ですか?

A: 違うよ、実際は飛行機から撮影されたんだ。ブックレットを見たら、「Anders Grass (Pilot)」と書かれているよ。彼が飛行機を操縦した人物で、Ulf Ahgrenが震える手で風景を撮影した人間だったと思う(小さくて揺れる飛行機だったから)。

Q: ライブを観て、あなたがKatalinではなくReginaを選んだ理由が分かりました。天井が高くて撮影向きですね。ライブDVDを作ると決めた時、真っ先にこの会場に決めたのですか?それとも他に候補はありましたか?

A: 一つだけ選択肢があって、Grandという会場で、実際通り(Tradgardsgatan)の反対側に位置していた。でも様々な理由でReginateaternの方がいいと思ったんだ。思い返してみて、自分の選択にはハッピーだよ。(Googl地図参照:https://goo.gl/maps/D81rdADJy252

Q: ドラムを頭上から撮影しているのは面白いですね。誰のアイデアですか?あれは劇場に元々付いているカメラですか?

A: Thomas SchonとUlfとKickiのアイデアだったと思う。カメラはカメラクルーの中の誰かの物で、それを照明装置に取り付けたんだ。

Q: ところで、このライブを収録する直前まで、トラブルがあったと聞きました。詳しく話してもらえますか?

A: ずいぶん前のことだから、何がダメだったのか思い出せないなぁ。とにかく、録音も含めてすべて、スケジュール通りに進んでいたんだ、サウンドチェックを始めるまでは。突然Perusが「録音がイカれた、動かないんだ」と叫んだんだ。かいつまんで話すと、最終的に、イギリスのコンソールを製造した会社に、エラーを探るために電話したんだ。彼らのおかげでPetrusはやるべき事はたった一つだと分かった、ミキシングコンソールと録音のためのコンピュータを繋ぐケーブルを取り替えることだって、3時間前には機能していたんだから不思議なんだけど。幸運なことに、PetrusはUppsala Statsteater(普段彼が働いているところだ)にそのケーブルがあることを知っていた。彼はケーブルを取りに走り、ショーが始まる15分前に控え室にやって来て、僕たちにGOサインを出したんだ。僕がみんなに「...OK、DVDレコーディングはナシだけど、観客にたっぷりショーを見せてやろう」って話していたのと同時にこれが起きたんだよ!

Q: このライブDVD/アルバムは、とても「正直な」作品だと思いました。バンドが発するエネルギーを完璧に捕らえたと同時に、演奏のミスもそのまま収録しています。私はテレビの画面の前で、本当にライブを観ている気分になりました。作品の仕上がりは満足していますか?あなた個人が勧める見所はどこでしょうか?

A: とてもハッピーだよ。Kickiはとてつもない仕事をしてくれたし、困った時には本当に助けになってくれたThomasも忘れてはいけないね。NTSCバージョンは観ていないけど、映像のクォリティがOKだと真に願うよ。これを作る第1日目から、メンバー達に、本物のライブDVD/アルバムのようなサウンドにしたいと、はっきりに言ったんだ。だから、僕たちはショーをできる限り良いものにしようと、これまで以上に準備した。その努力に気付いてくれて嬉しいよ。僕たちはショーの間に、何度か素晴らしい瞬間を持てたと思う。というのは、何曲かはこれ(NPLH)に収録されているバージョンが決定版だ、と言っていた人がいる、って聞いたんだ。個人的には、"Godsong"と"In the Warmth of the Evening"、"Venice CA"はとてもクールだと思うよ。

Q: 個人的に好きなところは、バンドがみんな演奏を心から楽しんでいるように見えるところです。このバンドが結成されて10年近くなりますが、バンドの雰囲気は結成当時から変わりましたか?

A: それはないな。僕がバンドを始めた時に、僕たちは「そこそこ年寄り」だったし、みんなとても地に足が付いた感じだから、これまでに(良くも悪くも)驚くようなことはなかったね。ずっと良い友達で、お互い一緒に居ることを楽しんでいるから、それはあらゆる事をやり易くしてくれるよ。実際は、これまでステージ上で、こんなに大人しかったことはないと思うんだ(ポーズを決めることも少なめで)。その唯一の理由は、事を台無しにしたくなかったからだよ、間違ったギターサウンドを選んだり、間違ったコードや音を弾いたりみたいなことでね。

Q: 残念ながらMCの半分ほどがスウェーデン語で、その部分は理解ができませんでした。"Pages"の前にちょっと歌った曲は何だったんですか?

A: うーんと、あれは・・・子供の歌?から取ってきたメロディだよ。Ola(Strandberg)が気付いてると思わないけど、”Pages”のパワフルな幕開けは、ある古い童謡とまったく同じメロディなんだ。-- "Har kommer Herr Gurka・・・"(註:"Har Dansar Herr Gurka"という童謡だと思われる。こういう曲

Q: このライブでは、あなたをリードヴォーカルとして、他の4人もコーラスに参加しています。誰がどの歌のどこを歌うというのは、どう決めているのですか?それぞれの声域や声質によるのですか?

A: 誰が何を歌うかの最も重要な理由は、僕が彼らの声を必要としているまさにその時、彼らの楽器がどれだけ忙しいか、だね。それから、もちろん誰かの声が他の人よりふさわしいか。一つ確かなことは、Olaがいつもハーモニーの一番高いパートを歌っているんだよ。一方、Antonが4人の中で一番訓練されていて、安定した歌手だから、僕はできるだけ彼を使いたいんだ。

Q: このライブで、バンドは新曲を2曲演奏しています。"Valleys and Fields"はまるで"Song for July"のイントロのように聴こえます。この曲は独立した曲なのですか?それとももっと長くなる可能性はありますか?

A: "Valleys and Fields"は、まさに君が言うように"Song for July"のイントロのようなものだよ。ショーのダイナミクスをもっと良くしようと思ったとき、長大な"Pages"の後の、よりアンビエントな音楽が、コンサートに寄与するんじゃないかという結論に至った。それが、"Valleys and Fields"を書いていた時、僕の心中にあったことだよ。ただのイントロじゃなくて曲になったのは、僕たちのレーベルGlassvilleRecordsのアイデアだ。彼らは、もしアルバムに新しいトラックが入っていたら、セールスの観点では良いことだと言った。それで僕はすぐに"Valleys and Fields"と名前を付けたんだ。そのタイトルは音楽と共に、"Song for July"が始まる前の雰囲気を作ってくれたと思うよ

Q: もう1曲は"Chasing a Dream"です。初期TFK的なKey.サウンドと、ヘヴィなメタルリフの対比が、HFMCらしい曲だと思いました。あなたの歌も素晴らしいです。バンドは"Chasing a Dream"をKjell Sandbergのスタジオで録音したはずです。DVDやCDで使われた音は、実際4月26日にライブ録音された音なのですか?それとも後でスタジオで録音した物ですか?

A: "Chasing a Dream"も、"Valleys and Fields"のようなボーナストラックだよ。Studio Kjellaren(Kjell Sandbergのスタジオ)でレコーディングされたものだけど、ライブDVD/アルバムのコンセプトと連動するように、できるだけライブの音を保つことが僕たちの使命だった。オーバーダブは一つもなく、あらゆる事に注意を払える快適さの中で、僕たち5人が歌い演奏するという訳だ。スタジオの中で録音する時は、より物事をコントロールできるからね。ところで、この曲の僕の歌を気に入ってくれて嬉しいよ。今、もしチャンスがあったら、もちろんすべてのヴォーカルを楽器の音から分離して録音できただろう。この結果には僕はとてもハッピーだし、言わせてもらえば、君が「No Place LikeHome - The Concert」を見ている間のすべての体験に、何かを付け加えることができたんじゃないかな。環境の変化(急に僕らがスタジオで、白黒のイメージになった時)と、音の小さな変化もいいことだよ、というのは固定されてたものじゃないから。たぶん君が知っているとおり、僕らは"Chasing a Dream"も「No Place Like Home」のプロモーションの道具として使うよ。(※リンクは"Chasing a Drea m"のPVに繋がります)

Q: ライブであなたはこの曲を「長い曲の一部(a part of a big epic, this is the first part)」と紹介しました。しかし後であなたは、Facebookでそれを否定しましたね。次のアルバムではこの曲は収録されないのですか?(だとしたらとても残念です。)

A: まだオフィシャルじゃないけど、僕たちはすでに次のアルバムの録音を始めていて、"Chasing a Dream"はこれらの曲には含まれていない。今のところこれが「ただひとつの」"Chasing a Dream"だけど、もしかしたら、将来のアルバムでBパートを含んだ曲全体を録音するかもしれないよ。

Q: さて、4枚目のアルバムの進捗状況はどうなっていますか?

A: 初めは、このレコーディングは以前よりは早く進行するんじゃないかと思っていたんだけど、いつも通り進んでるみたいだ。目下2回目のドラムの編集をしているところだ・・・聞き間違えじゃないよ!!!(ドラムの)ファイルがなぜか壊れてしまって、今すべてをやり直しているところだけど、すぐにベースとギターとキーボード、そしてヴォーカルの録音ができることを願うよ。

Q: 今後の予定を教えてください

A: 今ある計画は、次のアルバムをリリースしたら、できるだけ早く出て来てできるだけプレイすることだね。

ありがとうございました。

No Place Like Home - The Concert (Grassville Records GVR22) 2017
songs:
Seconds - Intro
Can't Stop the Clock
Everything Can Change
Godsong
Pages
Valleys and Fields (Previously unreleased)
Song for July
Chasing a Dream (Previously unreleased)
Genius
Something Worth Dying For
In the Warmth of the Evening
Life Will Kill You
Fallen Empire
-encore-
Venice CA
Stardust We Are 〜 Someone Else's Fault

オーダーはHFMC official siteからどうぞ。国内ならDisk Unionから通販可能

(17.10. 17.)
all copyrights Momo 2017
photos from facebook of HFMC (Ian Smith (black and white), Calle Lind (color))
thanks: Yayoi, T-Max, TFK FC Japan


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